samedi 30 août 2008

サトウキビ畑のカニア3


 「レジュメだけで、編集会議を通過したものの、全体の話はいったいどうなっているのだろう?面白く訳してもらえるんだろうか?」そんな不安を持たない編集者はいないと思う。レジュメだけで編集会議を通過させるとは、すごい賭けをやるものだと思う。

「ざっと全体を訳して、話の流れがわかるように見せてください」
と言われたので、「ざっと」訳した全文を、一ヶ月で出した。そうしたら、
「こんなひどい訳はない。使えない」
と言われたので大いに焦った。
「ええ〜。別にこれが納品ってつもりじゃなかったんですう〜。読み直しもさせてください〜。お願いします、やり直させてください〜〜!!」
こんなはずじゃなかった。もっとちゃんとやってから出せば良かった。。。と大後悔。
「だって〜。ざっとって言ったじゃあないのお〜〜?」

 とりあえず、全体の流れはわかってもらえた。
訳がどうにかなれば、売り物になりそう。。との感想で、点数を挽回した。(ような気がして来た)
ただし、いろいろと注文も出て来た。

 本文中のある部分は、なくてもいいのではないか?
 いきなり現れたこの人物について、もう少しエピソードが欲しい。
 この単語は現地の人にはわかるだろうが、日本のこどもには意味不明だろう。解説を付けて欲しい。
 知らない遠くの島の様子が、もう少し具体的にイメージできるように、風景や人の暮らしについて書き加えて欲しい。
 1300円ぐらいの児童書として売り出すには、ページ数が足りないのでどうにかしてほしい。

「どうにかして欲しい」ことが続々と現れた。

さて、どうする?曲がりなりにも翻訳なので、原文から勝手に省いたり、付け足したりしても良いものか?
ピションさんとも相談し、「直訳」では翻訳本として日本では出版できないということをご理解頂いた。解説や、付け足し部分についてピションさんからもご協力頂けることになった。
最初からやり直しだ。姿勢を整え直す。
そうして、訳が出来上がるまでに、一年ぐらい掛かった。

訳がだいたい出来上がったところで、挿絵画家も見つけなければならない。

                                    つづく

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